胚
はい Embryo
- 【同義語】胎芽
- 受精あるいは着床から妊娠のおよそ第8週齢まで(妊娠初期段階)の発育中の生命体のこと。【ICR】
バイアス
ばいあす Bias (Statistical & Operational)
- 臨床試験の計画、実施、解析及び結果の評価と関連した因子の影響により、試験治療の効果の推定値と真の値に系統的な差が生じること。試験実施中の逸脱によって起こる偏りを「運営上の」偏りとよび、それ以外の原因によって起こる偏りを「統計的」偏りとよぶ。【ICH-E9】
被験者
ひけんしゃ Human Participant (Subject)
- 研究を実施する研究者が、本人に関する (1)介入(診療行為)や相互作用を通じて生じるデータ、ないしは、(2)身元の特定が可能な個人情報、の取得を行う 生存する個人のこと。【ICR】
- 治験に参加し、治験薬の投与を受けるか又はその対照となる個人。【ICH-E6】
被験者識別コード
ひけんしゃしきべつこーど Subject Identification Code
- 個々の被験者の身元に関する秘密を保護するため、治験責任医師が各被験者に割り付けた固有の識別符号で、治験責任医師が有害事象及び(又は)その他の治験関連データを報告する際に、被験者の氏名の代わりに用いられるもの。【ICH-E6】
被験者保護局
ひけんしゃほごきょく Office for Human Research Protection
- 米国 保健福祉省(HHS)の一部局で、ヒトを対象とする研究を取り締まる同省(HHS)の規則(連邦規則集45 CFR Part 46)の施行の責任を担っている。被験者保護局(OHRP)は、どこでヒトを対象とした研究の実施や支援のために同省(HHS)の資金が使われようとも、監督と教育の責任を負う。【ICR】
被験者募集
ひけんしゃぼしゅう Recruitment
- 【同義語】リクルート
- 適切な選択規準を用いて、試験に被験者を選出し登録する(組み入れる)行為・活動のこと。【ICR】
必須文書
ひっすぶんしょ Essential Documents
- 治験の実施と得られたデータの質を個々にかつまとめて評価することを可能にする文書等の記録(第8章参照)。【ICH-E6】
ヒト対象研究局
ひとたいしょうけんきゅうきょく Office of Human Subjects Research
- 米国 保健福祉省(HHS)の一部局で、米国 国立衛生研究所(NIH) 所内研究プログラム(IRP)において実施される研究に係る被験者保護規則の解釈、およびその履行を監督する責任を負っている。【ICR】
人を対象とする医学系研究
ひとをたいしょうとするいがくけいけんきゅう Medical and Health Research Involving Human Subjects
- 人(試料・情報を含む。)を対象として、傷病の成因(健康に関する様々な事象の頻度及び分布並びにそれらに影響を与える要因を含む。)及び病態の理解並びに傷病の予防方法並びに医療における診断方法及び治療方法の改善又は有効性の検証を通じて、国民の健康の保持増進又は患者の傷病からの回復若しくは生活の質の向上に資する知識を得ることを目的として実施される活動をいう。この指針において単に「研究」という場合、人を対象とする医学系研究のことをいう。【新指針】
秘密の保全
ひみつのほぜん Confidentiality
- 治験依頼者に帰属する情報及び被験者の身元に関する情報を、認められた者以外には開示しないこと。【ICH-E6】
評価者間信頼性
ひょうかしゃかんしんらいせい Inter-Rater Reliability
- 異なる評価者が異なる機会に評価をする場合、同じ結果を与える特性。【ICH-E9】
評価者内信頼性
ひょうかしゃないしんらいせい Intra-Rater Reliability
標準業務手順書
ひょうじゅんぎょうむてじゅんしょ Standard Operating Procedures (SOPs)
非臨床試験
ひりんしょうしけん Nonclinical Study
非劣性試験
ひれっせいしけん Non-Inferiority Trial
- 被験薬への反応が比較薬剤(実薬又はプラセボ)よりも臨床的に劣らないことを示すことが主要な目的の試験。【ICH-E9】
頻度論的方法
ひんどろんてきほうほう Frequentist Methods
- 有意性検定及び信頼区間といった統計的方法であり、その意味は同一実験状況下という仮説的な繰り返しのもとで起こるある結果の頻度という観点から解釈できる。【ICH-E9】
副作用
ふくさよう Adverse Drug Reaction (ADR)
- 承認前の新医薬品又は新用途での臨床経験(従って臨床用量が定まっていない場合) については以下の通り
投与量にかかわらず、投与された医薬品(治験薬)に対するあらゆる有害で意図しない反応を副作用と考えるべきである。「医薬品(治験薬)に対する反応」との語句は、当該医薬品と有害事象の関係について、少なくとも合理的に可能性があり得ると考えられ、因果関係が否定できない反応を意味する。
市販後の医薬品については以下の通り
疾病の予防、診断、治療、又は生理機能の調整のために用いられる通常の投与量範囲で投与された医薬品(治験薬を含む)に対する有害で意図しない反応。
(ICHガイドライン「治験中に得られる安全性情報の取り扱いについて」を参照)【ICH-E6】
福祉(被験者の)
ふくし Well-being (of the trial subjects)
プロトコール
ぷろとこーる Protocol
- 【同義語】研究実施計画書
- 研究の目的、デザイン、方法、統計的手法、そして組織を文書化した書類のことで、これには、後に加えられた原始文書への変更内容も含まれる。研究計画には、被験者候補の権利と福利を十分に保護するための規定を設け、関係法令および規則が準拠されることを保証しなければならない。【ICR】
ベイズ流の方法
べいずほうのほうほう Bayesian Approaches
- 一部のパラメータ(例えば、試験治療の効果)について、観察されたデータとパラメータの事前確率分布から事後確率分布を与えるデータ解析の方法。得られた事後分布を、統計的推測の基礎とする。【ICH-E9】
ベネフィット
べねふぃっと Benefit
- 【同義語】利益
- 研究におけるベネフィット(利益)は、評価に値する(価値のある)ないしは好ましい結果のことで、被験者自身が享受できるもの(治療的有用性/治療効果)、あるいは、研究対象の集団や、その家族、あるいは科学的知見に対して生じるもの(非治療的有用性)のこと。【ICR】
ヘルシンキ宣言
へるしんきせんげん Declaration of Helsinki
- 生物医学研究における被験者に対する倫理原則の声明のこと。この宣言は、世界医師会が1964年に初めて採択した。この宣言は、これまで5回改訂され、最近では2000年に改訂が行われている。先行のニュルンベルグ綱領と同じように、ヘルシンキ宣言は、倫理的な研究の主要な要件を、世の中に広く合意のものとした。この宣言には、当初、治療的研究と非治療的研究についての基準を区別した規定があったが、最近の改訂でこれは削除された。【ICR】
ベルモント・レポート
べるもんと・れぽーと Belmont Report
- 1979年に、米国の生物医学・行動学研究における被験者保護のための国家委員会によってもたらされた「研究における被験者保護のための倫理原則とガイドライン」と題された報告書のこと。この文書で特定された倫理基本原則の、「人格の尊重(respect for persons)」、「善行(beneficence)」、「正義(justice)」は、後に研究被験者保護の連邦規制の礎となった。【ICR】
法定代理人等
ほうていだいりにんとう Legally Acceptable Representative
- 治験への参加について、被験者になると見込まれる者に代わって同意する権限が、適用される法律によって与えられている個人又は団体。【ICH-E6】
法的代理人
ほうてきだいりにん Legally Authorized Representative
- 法的代理人:法的に権限を有する代理人(代諾者)。
被験者候補に代わり、本人の利益になるように、研究で行われる処置への本人の参加について同意する権限を適用法令の下で与えられた個人ないし裁判機関やその他の組織のこと。【ICR】
保護者
ほごしゃ Guardian
- 同意をする能力を含め他者の健康状態ないし他者が受ける医療に影響を与える決定を下す権利ないし権限が与えられている個人のこと。【ICR】
保証
ほしょう Assurance
- 拘束力をもつ文書化された確約のことで、ヒトを対象とする研究の実施を希望する研究機関によって米国 連邦政府関係機関に届出される。研究機関は、ヒトを対象とする研究を規制する適用諸規則に準拠することを約束し、準拠をどのような手順で果たすかを規定する。【ICR】
補助療法
ほじょりょうほう Adjuvant Therapy
- 【同義語】アジュバント
- がん治療の一環として、外科手術や放射線治療と組み合わせて用いられる一つ以上の抗がん剤(抗悪性腫瘍剤)のこと。アジュバントは、治癒の可能性を増大させることを目的として、第一次治療の事前もしくは事後に施される。アジュバントは、通常、初期治療に「付け加えて」という意味合いを持っている。【ICR】
【出典】
(注)上記の出典毎に、同じ用語でも定義が若干異なる場合があります。詳細は出典先を参照してください。