福井大学医学部附属病院 医学研究支援センター

患者さん・一般の方へ

CRCについて

CRC(治験コーディネーター)について

1-01治験コーディネーター(CRC)とは、Clinical Research Coordinatorの略で、新GCP(医薬品の臨床試験の実施の基準)が完全実施となった平成9年以降に新しく誕生した職種です。治験担当医師は、多忙な日常業務の中で、新GCPの基準に沿って治験を適正に実施するためには、治験責任 医師を支援するスタッフの協力が必要となります。そこで誕生したのが治 験コーディネーター(CRC)なのです。

CRCの期待されている業務は、治験担当医師の支援、治験依頼者との対応だけでなく、当然参加する皆様のケアも含めて多岐にわたっています。また、治験は、倫理性・科学性・信頼性を確保しなければいけないため、CRCはいろいろな役割を担っています。

 

CRCの仕事とは?

 

[同意説明補助]

医師から治験の説明を聞かれたあと、もう一度治験の内容について説明します。

[診療への参加]

治験がスムーズに行えるように診療に同行し、医師・院内スタッフとの連絡や調整をします。

[治験薬交付・回収]

治験薬の服用方法、注意点などについて詳しく説明します。

[服薬指導・有害事象チェック]

体調の変化や薬の副作用について安全面に注意を払いながら、適切な対応に努めています。

[質問・相談への対応]

参加する皆様の治験に対する不安や疑問にお答えします。

[来院スケジュール、併用薬、次回来院日など確認]

定期的に来院していただくことになるため、予定来院日・検査の予定などお伝えします。

[患者の皆様への啓蒙(ポスター掲示など)]

1-02本院では、薬剤師CRC、看護師CRCがその事務にあたっています。個々の治験により業務は若干異なりますので、随時業務内容を治験担当医師と相談して決定したいと考えています。
私たちは、治験が決められた内容どおり進められるよう細かくチェックしながら、治験担当医師・治験依頼者と協力し、参加する皆様をサポートしていくことに努めています。

 

 

CRC(Clinical Research Coordinater;治験コーディネーター)の仕事

治験は、治験依頼者(製薬企業)と医師、およびボランティアとして参加する被験者(患者様)の協力関係の上に成り立つ共同作業です。CRCはこの三者の間に入って様々な支援を行いながら、緊密に連携を取り合うことによって、治験が円滑に進行するように調和を図る役割を担っています(下図)。CRCに資格は必要ありません。現在当院には、後述するような多くの業務をこなすために薬剤師2名、看護師2名のCRCが、主に①被験者に対する総合窓口とケア、②治験担当医師への支援とサポート、③治験依頼者への対応を行っています。
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①治験者に対する総合窓口とケア
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患者様に対する治験の同意説明を補助し、まず治験を理解してもらいます。 被験者に対する服薬指導とコンプライアンスの確認は最も大切な仕事です。薬剤師CRCは併用禁止薬のチェックもします。 治験実施中には、CRCが必要に応じて電話で症状日誌の記載や来院日の確認をします。常に、被験者のケアが最優先です。
②治験担当医師への支援とサポート
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被験者スクリーニングは治験の実施率やスピードを左右する重要な業務です。 治験中は治験担当医の診察に同行し、検査項目や診察内容が、計画書どおりに実施されていることを、医師とともに確認します。
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看護師CRCは、被験者の採血やバイタルチェックを行い、その経験と特長をいかして医師と患者の調整役を担います。 症例報告書の作成補助、及び電子症例報告書への入力を行います。医師の負担を軽くすることも重要です。
③治験依頼者への対応
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ある治験のモニタリング風景。CRCと依頼者が、症例ファイル、電子カルテなどの照合・確認を行います。依頼者による施設調査の対応も行います。また、依頼者より治験薬を直接受け取り、治験薬の管理手順書により管理方法の確認も行います。